大岡昇平『現代小説作法』(第三文明社 レグルス文庫22)

 いま読み終わる。奥付に1984年2月11日土曜日に藤沢市のデパートの書籍売場で購入したとわたしは鉛筆で書いている。ものもちがいいでしょう? 読了するのに26年もかかっています。
 はじめの1行。
昔から「何とか作法」というものに、ろくなものがあったためしはありません。
 と書いてある。解説は立原正秋。この人が解説文を書くなどとはちょっとめずらしい。立原正秋は若い頃むさぼり読んだ。はじめは17歳だったと思う。母の日にオートバイで事故を起こして入院した。病院のベッドで『剣ヶ崎』か何かを読んだ(たしか芥川賞候補作品だった)。その後『白い罌粟』で直木賞を受賞したが立原正秋はわたしの青春時代の私淑したひとりであった。
 『卍』の後、わたしは夏目雅子(イメージキャスト。出演交渉はしていない)で谷崎潤一郎の『お艶殺し』を撮ろうと計画した。東映の窓口になったのはA.N.という男(故人)だったがなんと「これ現代劇になりませんかねぇ」などと寝ぼけたことを言ってきたのですぐ突っぱねた。次に沢田研二(これもあくまでイメージ)で立原正秋の『白い罌粟』をやろうとしたら「豊田商事事件」が起きて
(金貸しが殺された。『白い罌粟』は金を借りてわざと踏み倒す男の話)嫌な予感がしたが(会社が)「社会的な影響を考えて」これも没。
 26年前と言えばそんなことがありました。
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by hiroto_yokoyama | 2010-03-08 18:32 | ブログ
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