番外・自由業は適性次第

 本多信一著『食べていくための自由業・自営業ガイド』(岩波アクティブ新書122)の13ページに興味深いことが書いてある。
「…適性とはきわめて複雑な要素から成り立っている。とくに『職業適性』はこれまでの研究でもほとんど分かっていないように思える。私なりに考えることは
 『職業適性とはそれぞれの仕事が要求する人間的資質である』
ということ。つまり、個々人の興味や関心、本人の性向、価値観、能力といったものはある程度、自ら把握し得る。だがその人が、
 『自分は△△が好きで興味があるから△△の仕事に合うに違いない』
と考えて、その△△のコースに入職しても成功するとは限らない。これはつまり、大部分の人々は自分の憧れる職業が本当はどんな適性を要求しているのか、(原文は傍点。書体をかえたのは横山)という点がまったく分かっていないせいだ。ということは――そう、職業の選択で肝心なことは『就きたい仕事がどんな人間的資質を求めているかを知ってから入職を考えるべき』ということになる」
 △△の部分を「映画」と書き換えれば「ネット映画講座」の延長のようになるが本多さんのご意見をもう少し引用させていただく。
「…自由業の道に進みたいと考えている人なら、少なくとも
・自らの中の集団適応力の有無を知る。
・選びたい分野の職業人に会い、その仕事を観察して『その仕事の求める適性』
 を考える。
・その上で自分の性向・興味・才能・体力とのマッチングを考える
というプロセスが必要になると思う。調査また調査のあり方を貫いてほしい。」(14ページ)
 同じ自由業でも「映画をやりたい」とどこかで願っている人の場合は事情が少し違っている。適性がある、ない以前に強烈な「私が! 俺が! 」の自己顕示欲の固まりが邪魔をして上に引用したような労力を厭うところがある。根拠のないプライドと幼児性とにだけしがみついている人間には映画に限らずどんな職業の適性もないのではないだろうか。わたしがネット映画講座を断念した所以である。
 こんな余計なことを書いたのは、登場人物のキャラクターを作るうえでヒロイン或いはヒーローは「どういうタイプ」の人間であるのか、それをまず決めないとシナリオはぜったいに作れないと確信しているので備忘録のつもりで「番外」とした。
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by hiroto_yokoyama | 2004-09-20 10:15 | ブログ
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