井上靖『通夜の客』を読んだ

 わたしはこの小説の名を、なぜか少年のころから知っている。知ってはいても読んでもどうせ分からない、とずっと思ってきた。先日、『あすなろ物語』を読み、堀川弘通監督の映画を見たら、『通夜の客』をどうしても読みたくなった。五所平之助監督『わが愛』というタイトルで映画にもなっている(もちろん、未見)。
 読後、切ない。恋愛小説なのに、相手の男は死んでいる。はじめは客観描写。その通夜に若い女が来て焼香をすませて帰る。つぎに、その死んだ男への手紙という体裁でお話が始まって終わる。ふしぎな小説だ。どのように映画にしたのだろうか。先日、フィルムセンターで上映していたが見ておけばよかった。
 読後がさわやかだ。もう、わたしには遅いが、こんな恋をしてみたい、そんな気持にさせられた。
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by hiroto_yokoyama | 2010-05-16 09:58 | ブログ
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