松本清張『現代官僚論』を読み始めたら、すぐに『明治の兄弟』のことが出てきた。そうなると、この菊池寛の短篇を読まずには進めない。
『明治の兄弟』は熊本県出身の桜田誠一郎、欽次郎兄弟の話。不勉強のわたしはこの兄弟が実在していたかどうかも知らない。登場人物のひとり・佐々友房の台詞
「君達兄弟は、朝野に分れて、いつも喧嘩しとるのう。しかし、そこに、日本の進歩があるんぢや、大(おおい、ルビ)
に兄弟喧嘩をやれ、はあ、はあ!」
読後は爽やか。読んでよかった。清張さんはどういうつもりで、この小説に言及したのか。『現代官僚論』に戻らないとそれはわからない。急いで同作を図書館に予約しよう。