82号車には臭くて乗る気がしない

 きのう(2月1日)とんでもない事件が起きた。わたしの勤めるタクシー会社の組合の金500万円超をこともあろうに組合の会計担当が持ち逃げしたのだ。
 朝から晴れていてわたしは気分よく82号車をころがしていた。担当者の体臭がしみこんだこのタクシーは乗り込んできた若い女性客が悪臭から逃げるために後部座席の窓をすぐにあける。流れ込んでくる冷気も心地よく感じていた。無線がはいる。それ来たとわたしはタクシーをUターンさせる。客を運び終わったらすぐに組合事務所へ行け、という指令。わたしはなんだか胃にしこりを感じた。(業務中、なぜ無線が組合の用事を言うのだ。労使のなれあいは気持ち悪いぜ)
 組合事務所に顔を出すと幹部数名全員がお通夜のような暗い表情をしている。82号車の担当(彼は組合の書記長)が事務所に入ろうとするわたしをあわてて制止しておもてに出てきた。「すんません。わたしの用事で呼びつけたりして」などといいながらタクシーに向かう。わたしは彼の背中に「なにか忘れ物ですか? 」と問うた。担当者は82号を完全に私物化しているために「おれがおれの物をおれの車に置いている」のは「忘れ物」とは言わないと背中で応答した。コンソールボックスと運転席側のドア、状差し状の物入れの書記長の私物は車の後ろのトランクにとっくに放り込んである。82号の担当者は運転席のドアを開けたが私物がない。わたしがトランクを開けると必要なものをとりだしてあわただしく事務所に戻った。彼は言いにくそうに「なるべく私物は触らないでください」と顔をゆがめてわたしに言った。わたしは「すみませんでした。以後気をつけます」と応えたものの釈然としない。
 家にもどり残り物で昼食を済ませて(胃の手術以来投薬されている)消化薬をのんでも胃のしこりがとれない。おれは組合の書記長の車を借りてタクシー運転手をやっているのではない。タクシー会社と契約して82号車に乗務している。この理不尽さはなんだ!
 午後から臭い82号に乗るのはやめて早退することに決めた。
 さて、会社の洗車場。たまたま21号が戻ったので(この運転手は風邪で早退)洗い場を譲った。54号も戻ってきた。この先輩運転手は中小企業の社長でわたしに何やかやと教えてくれる。社長が缶コーヒーをわたしと21号におごってくれた。社長が「たいへんなことになったね」というと21号が「え? もう知っているのですか」と驚く。わたしはなんのことか尋ねた。そこで会計係の横領を知った。
 「わたしは負けて帰るのではない」とホッとすると同時に組合費を持ち逃げされた自分を含めた100名以上の運転手どもの間抜けさ加減がイヤになった。82号よりももっと臭い41号(担当は組合の文化部長)、この2台に乗るときは強力な脱臭剤を持ち込む以外にわたしの生きていく道はない。私物? そんなもの置いている方が悪い。これまで通りレジ袋にいれてトランクに放り込むにきまっている。
 それにしても持ち逃げされたわたしの組合費1、2万円はどうなるのだろう。(被害は多い人で10万円ちかい)タクシー会社の社長(この前面接でわたしはわたしの氏素性をうちあけている)以外だれもこのブログを読むことはないのでわたしは安心してなんでも正直に書ける。
 これもブログの効用であるだろう。王様の耳はロバの耳!
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by hiroto_yokoyama | 2005-02-02 22:19 | ブログ
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