沈丁花の匂い

 わたしはこの花が咲くころに生まれた。ものごころついたときからこの匂いを嗅ぐと「あ、またひとつ歳をとった。いい大人になりたい」とどこかで念じながら馬齢を重ねてきた。おととし胃ガンの手術をうけてからわたしはたぶん変わったのだろうか。3月に入ったら去年もことしも道を歩きながら沈丁花の匂いがただよい始めるのを待っている自分に気づいている。残り少ない人生一瞬一瞬を味わいつくすように過ごしたい。
 きのうかおとといの夜、タクシーの運転席のウィンドウから沈丁花の香りがかすかに漂い込んできた気がしたのだがまだしかと確認できていない。ことしは開花がいつもよりすこし遅いような気がする。
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by hiroto_yokoyama | 2005-03-18 11:48 | ブログ
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