『花と蛇』(原作:団鬼六、監督:石井隆)を見た

 わたしは女性を縛ることに興味がない。映画になったことは知っていた。見るつもりはなかったがこの映画を見た女性から話を聞いてDVDを借りてきた。2回に分けて見た。
 初めのほうで作り物の蛇が出てくるが、あ、これはいい、操演はどこの会社にたのんだのだろう? パナビジョン(映画撮影用のカメラ)で撮影しているようだが、制作費は3億円はくだるまい、回収できたのだろうか、などとみなさんにはどうでもいいことが頭をかすめる。女性の感想が否定的なものではなかったので見た。いつもありもしない架空の話しを情熱を込めて描く監督の石井氏だが、この映画が一部、少数(? 多数かもしれない)の女性に受け入れられたことは喜ばしいことだ。
 谷崎潤一郎に『武州公秘話』という小説がある。たしか篠田正浩監督が映画にしたいと雑誌かなにかで言っていらしたようだが、お姫様が深く掘った穴の底に羽毛をしきつめて大便をする場面などスカトロジーの映画もありかもしれない。『武州公秘話』にはほかに敵の武将の鼻をそぐところなどがあるが映像にはしにくい、ならないだろうとわたしは考えていた。『花と蛇』を見て作り物を上手に使えば、女性にも見て貰える映画が成立するかもしれないと大いに触発されてわたしは嬉しかった。(デビッド・リンチ『ブルーベルベット』のはじめの方、庭に落ちている作り物の耳にもわたしは興味をもったおぼえがある)
 それにしてもわたしはパナビジョンを使って映画を撮ったことがない。(制作費の問題)死ぬまでにやはりあと1本はフィルムで映画を撮りたいという思いが、その思いだけがわたしを支えているのだろうか。タクシー運転手という重労働にかろうじて半年間はたえられたのだから映画を監督できる体力は戻った。あとはシナリオを書くだけだ。
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by hiroto_yokoyama | 2005-04-11 10:57 | ブログ
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