2冊読みおわった

 高田明典『世界をよくする 現代思想入門』(ちくま新書577)
 『松本清張 初文庫化作品集2 断崖』(双葉文庫 ま03-03)
 『世界をよくする―』は「よくする」というのが恥ずかしかったが、思いきって買った。わたしの知らない人のことがいっぱい出ていて勉強になった。177ページの「主体はそこなわれているのか?――主体の形而上学」あたりから「分析哲学(言語哲学)の形而上学的転回」(180ページ)、「自我とは「言語の機能」である――「自我」の存在論」(184ページ)あたりは読んでいてぞくぞくした。ウィトゲンシュタインは知ってるがジョルジュ・アガンベンとかクリプキ、ルドルフ・カルナップなど聞いたことのない名前だ。ゆっくり勉強しようと思う。
 松本清張は、わたしは司馬遼太郎より評価している作家だが、暗い内容のものが多いので体調も良く機嫌がいいときにだけ読むようにしている。表題の『断崖』がおもしろかった。裏表紙の宣伝文句を引用する。
北海道の景勝地にある宿泊所。そこで働く老人はある日、自殺志願の女を救った。その夜、女を介抱していた老人は、自分の中で蠢く熱い欲求に気づく。――老人の性と、そこから起こる悲劇を描いた…」
 いつものように余計なことを書く。この小説の結末は、わたしが主人公の老人なら、とても考えられない。したがって結末がつけられない。それでは小説にならないだろう。いらないことのついでに主人公は死ぬほどのことはない、というのがわたしの考え。
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by hiroto_yokoyama | 2006-01-16 21:23 | ブログ
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