坂崎重盛『「秘めごと」礼賛』(文春新書)を読む

 2月19日日曜日東京新聞11面、朝日新聞14面(ともに読書欄)に同書の紹介がある。
 東京新聞には「…フランスのミッテラン大統領が隠し子を公邸に置いているのを、一部のマスコミにすっぱ抜かれたことがあった。その時、ミッテランは慌てず騒がず、「エ・アロール(それが、どうしたの)? 」とのたもうた。…」とあるがわたしはミッテランが言ったのではなく大統領の奥さんが発言した言葉と記憶していた。渡辺淳一は確かそのこと(ご本人ではなく奥さんが記者会見でコメントした)を踏まえて同名の小説を書いたのではなかったか。
 朝日は「早川義夫(ミュージシャン)のポケットから」に「…家族の団欒(だんらん、原文にルビがふってある。横山)だけが幸せなのではなく、世間のモラルからかけ離れた、愚かなる行為が人によっては生きてゆくエネルギーとなり、精神しだいでは「芸術作品」にもなりうると説く。」とある。
 ふたたび東京。評者は矢島裕紀彦(ノンフィクション作家)。末尾に「…高齢化社会を迎えて、いよいよ元気な女性陣に引き換え、どこか飼い馴(な、原文はルビ)らされて覇気に欠ける嫌いのある中高年男性諸氏に贈る、健全なる応援歌として読める。
 わたしはこの本をもとめて本屋に走った。2日がかりで一気に読んだ。著者の坂崎氏はご自身言っているように「秘めごと」がありそうでなさそうで歯切れが悪いが、かりに氏に秘めごとがあったとしてもどうせ薄汚いものだろう。ではわたしはどうか。芸術作品が残せるなら後生秘めごととして暴かれ、意味も持つだろうがはっきり言ってこれまでの人生を振り返って、その自信はない(『純』や『卍』だけではダメなのだ)。きょうから秘めごと作りにいそしもう。60歳を期して監督として再デビューを果たさずにおくものか。
 あと1本、映画を撮りたい。死ぬまで悪あがきを続けよう。
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by hiroto_yokoyama | 2006-02-25 22:54 | ブログ
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