愛欲の広海に沈没し…

 親鸞の『教行信証』という本にある言葉。
誠に知んぬ。悲しきかな愚禿鸞、愛欲の広海に沈没し、名利の太山に迷惑して、定聚の数に入ることを喜ばず、真証の証に近づくことを快しまざることを、恥づべし傷むべしと。」 縦書きが出来ないのが残念。
 石田瑞麿『教行信証入門』230ページから現代語訳を引用する。
「それにつけても、しみじみと心から思い知らされる。
なんと悲しいことか。この愚禿釈の親鸞は果てもない愛欲の海に沈み、名声と利得の高山に踏み迷って、浄土に生まれる人のなかに数えられることを喜ぼうともせず、仏のさとりに近づくことをうれしいとも思わないでいる。これを恥じ、これに心をいためなくてはならない。」
 わたしは朝日新聞が大嫌いだが、部屋を整理していると五木寛之氏の「みみずくの夜メール」128が載った2005年2月28日付けを見つけた。村上豊氏の挿絵がいい。「われ愛欲の広海に沈没(りんもつ、とルビ)し」という絵のなかの字がわたしを惹きつけたのだ。
 五木氏の本文のはじめとおわり。
「親鸞のことを小説に書いてみようと思い立ってから、すでに十年以上の歳月が過ぎている。…
…親鸞を小説に書く日は、この先はたしてくるのだろうか。」
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by hiroto_yokoyama | 2006-12-15 21:04 | ブログ
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