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山本薩夫監督『傷だらけの山河』に圧倒された

 主演は若尾文子ではなく山村聡が正しい。若尾文子と言えば、この前の都知事選で味噌をつけてしまったとわたしは思う。いい女優だが嫌いとも好きとも言えない。この映画は山村聡の代表作に違いない。山本監督にしてはじめて描ける悪辣な企業家。とても魅力的だ。この映画があって『白い巨塔』『華麗なる一族』『金環蝕』などの巨悪ものにつながっていくのだろうがあとの映画は二番煎じと言えなくもない。山本薩夫にはこの作品の前に傑作『忍びの者』がある。この作品は高校生の時たしか封切で見た。もう一度見直したい。江戸川乱歩の作品からのパクリみたいなシーンがありそこが傷といえば傷になっているがそんな欠点を補ってあまりある市川雷蔵映画の決定版だ。近々それを確認したい。
by hiroto_yokoyama | 2007-04-29 21:33 | 映画
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