この映画が作られたのは1960年。わたしは12歳。ビデオのパッケージに
「……
パリで公開されるや全世界の若者の心をとらえ」などと書いてあるが、わたしは映画監督をこころざして上京後(1970年代)、義務感というか見ていないと話にならないから場末の名画座で見たものの正直「どこがいいのか分らな」かった。
こわごわ今回図書館から借りたビデオを見はじめたが退屈ではじめの48分で中断していた。返却の期日がせまったし次の予約も入っていることだから渋々つづきを見はじめた。つまらなかったらすぐに見るのをやめて巻戻しておわりにしようと後半をスタートさせた。何とか見おおせたのは下半身デブのジーン・セバーグを見極めようという欲求とラウル・クタールの映像の魅力に引っぱられてのことだ。わたしの中ではゴダール神話はこれで終った。記念に『勝手にしやがれ』のDVDをそのうち中古で買っておくのは悪いことではないだろう。