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山本薩夫『忍びの者』の余韻にひたって日が暮れた

 図書館には前世紀の遺物、レーザーディスクしかない。しかも貸出しはしないので館内で見るのだ。わたしは朝一番に大和田の図書館へ足を運んだ。
 伊藤雄之助がとてもいい。彼の存在が雷蔵を際立たせている。DVDを注文しようとしたがあいにくと品切れ。雷蔵が若山富三郎(この時の芸名は「城健三朗」)の信長を暗殺しようとするシーン。やはり江戸川乱歩『屋根裏の散歩者』からのパクリだ。天井に穴を開け屋根裏からテングスに毒薬を伝わらせお目当ての人間(この場合信長)の口に垂らそうとするのだが、うまく口元に糸の先をもっていけるのか。少し考えれば分ること。
 こんな嘘がまかり通ってしまうほど全編1時間40数分をあきさせない。山本薩夫著『私の映画人生』によれば『忍びの者』は公開時大ヒットしたようだ。DVDも人気があるのは当然だろう。
by hiroto_yokoyama | 2007-05-13 20:18 | 映画
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