昨年秋だったと思う。新潮文庫『剣聖 乱世に生きた五人の兵法者』を購入。すぐに『上泉伊勢守』を読みはじめたがなんだか波長があわず積ん読だった。さくばん思い直して手にとった。
幼いころ漫画で見た。ある剣豪が刀を何本も地面に刺して群がる敵と戦う場面。その剣豪をわたしはてっきり上泉伊勢守だと勘違いしていた(黒澤明監督『七人の侍』にも同様のシーンがある)。池波正太郎『上泉伊勢守』を読むと伊勢守ではなくどうやら塚原卜伝のようである。
新潮文庫115ページからそこのところを引用する。
「
この年(永禄八年。横山)
の夏。
室町将軍(十三代)足利義輝が、京の居館で害せられた。……
……
塚原卜伝の愛弟子でもあった将軍・義輝は数本の長剣をぬきおいて、取りかえ取りかえ斬ってまわり、一時は賊兵どもも恐れて近よりかねたという。」(どうも横書きでは気分がでない)
池波正太郎の小説を読むのはこれが初めて。他のものも読んでみようかな。