柴田錬三郞のこと

 わたしは若いころこの慶応大学卒業の直木賞作家が嫌いだった(そのわりには市川雷蔵の『眠狂四郞』は好きだった)。この人はキザな感じがするし一般的には時代小説というより史伝などの方が格上だという錯覚があったからだ。眠狂四郞を読みかけてすぐに放り出した記憶がある。
 三隅研次監督『斬る』の原作だということからこの作家の短篇『梅一枝』を読んだ。『人斬り班平』も興味深かったが『梅一枝』もいい。近親憎悪などといえばなんだか思い上がっているようだが人は自分に多少でも似ている人物が嫌いなようだ。わたしの場合は60ちかくなってまだ幼いところがたくさんあるのでまず間違いなくちょっとでも似ていると嫌だ。あの鬼平を演じている中村吉右衛門にそっくりだ(たったひとり亡くなった叔母がわたしに会えばしょっちゅう言っていた)などとはぜったい認めたくない(でも少し似ているかも知れない! )。
 吉右衛門の兄の松本幸四郎(むかしの市川染五郞)にも似ていると高校時代にはしきりにいわれた。馬鹿にされていると腹が立っていたがいま考えると女性からカッコいいと思われていたのだろうか? もしそうならわたしはずいぶん損(? なにが? )をしたことになる。
 柴田錬三郞の文庫を購入してみようと思います。
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by hiroto_yokoyama | 2008-02-06 20:35 | ブログ
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