岡本喜八監督『侍』(脚本:橋本忍、主演:三船敏郞)を見た

 いやぁお見事。まいりました。さすが橋本忍。この脚本は『切腹』の同工異曲ではない。
 わたしは自分でも嫌になるくらい軽いというか、見もしないで、読みもしないでタイトルだけで作品を勝手に決めつけてかかるところがある。ビデオのパッケージでこの『侍』の原作が群司次郞正『侍ニッポン』であることをきょう初めて知った。知っていれば読みもしないで「なにがニッポンだ」とたぶん思いこんでネットでビデオを注文するのをやめたかも知れないのだ。ただ昨日見た『仇討』同様橋本忍脚本というだけで、駄目元じゃないか、「お勉強」しましようという気持ちから2本いっしょに発注しただけなのだ。
 拾いものと言っては失礼だが(いやわたしが軽率なだけですが)この映画をわたしは好きだ。これはいい映画だ。このシナリオを掲載している雑誌「シナリオ」をたしか持っていたはず。もっと早くに読むべきだった。損をした。
 出演している俳優がまたいい。伊藤雄之助、東野英治郞などなど登場する俳優全員が光っている。きわめつけは新珠三千代。この人の声がたまらない。若尾文子か新珠三千代か。声だけでいい。(声だけがいい、とは言いません)もっともっとご両人の映画を見たい。
 訳の分らないことはもう言いません。話を戻せばこの映画を撮った監督がいいのです。(この映画があったなればこそ『日本のいちばん長い日』(むろん脚本は橋本忍)をお撮りになったに違いない)
 岡本喜八監督をわたしは見なおした。亡くなった方に対して失礼な言い草だがご健在のときにご挨拶申し上げるべきだった。後悔している。
 いずれ『侍』のシナリオを引っぱりだしてきてじっくりと研究しようと思う。あ、最後に申し添えますがこの『侍』のDVDがあるはずなので是非みなさんにもご覧頂きたいと存じます。
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by hiroto_yokoyama | 2008-05-28 12:35 | 映画
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