松本哉『寺田寅彦は忘れた頃にやって来る』(集英社新書、0144-D)はいい本です

 まず右の猫の写真をご覧いただきたい。わが家に昨年9月2日にやって来た。前にも記したが名づけて「横山寅彦」と申します。寺田寅彦にはたいへん失礼かと思ったが妻と相談してつけた。厚かましいことである。猫の寅彦にかわって言い訳をするとはじめに「トラヒコ」というのはどう? と言いだしたのは妻である。妻の母親はたいへんな猫好きでいまでも20数匹飼っているが妻が実家の猫をふりかえって一番かしこかったのがトラヒコという牡猫であったらしい。そこから言い出したことなので妻の頭に猫のことはあってもあの寺田寅彦のことがあったわけではない。
 では「寅彦」という字を思いついたのはだれかと言えば、当然のことながらこのわたくしメでございます。
 この本『寺田寅彦は忘れた頃にやって来る』は2002年5月22日第1刷発行。当時わたしは福岡で単身赴任。長男は青森の大学で生物工学の勉強をしていた。そんな事情から『寺田寅彦随筆集』(岩波文庫)の1冊を息子にあたえていたのだがそのあとこの子は自分で全5巻を買いそろえていた。そこにこの興味深い本が出たのでわたしが1冊息子が1冊と別々のときにわたしが用意して渡したものだ。
 以前にはよくそういうことがあったがわたしは本を何冊もまとめて買って家に積んでおく癖があった。この本も息子はとっくに読みおわっていたがわたしはパラパラめくっただけで誰かに貸したきり戻ってきていない。ある時それを思いだして息子に聞いたら手もとにあるという。手っ取り早いので彼のものをひきあげて押し入れにしまっておいた。
 寅彦、寅彦と1日何十ぺんも呼びつけているとご本尊の寺田寅彦の罰が当るのではないかと気になりだしておとついの晩きゅうに引っぱりだして読み出したらやめられなくなって今読了したばかり。岩手・宮城内陸地震のことも頭にあり「天災は忘れた頃にやって来る」と言ったことであまりにも有名な寺田寅彦のことを知りたくなったからなのだがわたしはこの本を満喫した。思わず飼い猫の寅彦を抱きしめて「寅ちゃん」とか何とか言って頰ずりしたものである。
[PR]
by hiroto_yokoyama | 2008-06-16 17:47 | ブログ
<< 松本哉『大江戸散歩絵図』(新人... もうひとつ本の記事を書く >>