タクシー運転手の悲惨

 11月29日にこのブログで書いたがわたしの勤務するバードタクシー(仮名)の同僚運転手Fが自宅に火をつけた事件。きのう会社に行って少し事情が知れた。
 娘と息子が亡くなったことを思うと眠られなくてわたしは11月30日早朝、全焼した岩槻区のFの家に向かった。せめて焼け跡で手ぐらい合わせようと考えたのだ。しかし探せど探せど見つからない。まっ暗い田舎道で明るいところはコンビニだけ。バイトの兄ちゃんにFの家を尋ねるのもはばかられてわたしはすごすごと家に戻った。
 朝食のとき話すと長男が大谷でも岩槻区の大谷だろ、「お父さんは見沼区の大谷を探していたんだよ」と指摘した。あ、うかつだった。息子にそう言われてみればその通り。わたしは見当はずれでした。違うところを夜中にうろうろしただけだった。悔いました。
 で、バードタクシーのI課長にFが家族の誰かをかばって自分が火をつけたと救急隊に言ったと思いこんでいたわたしがそのことを話すと彼は声をひそめてわたしの憶測を否定した。どうやらFが本当に自分で放火したらしいのだ。わたしは出血ヶ所がまた破けるのではないかというショックを受けた。わたしならどんなに逆上しても子供たちが寝ている家を燃やそうとは絶対にしない。いやふつうは親なら皆そうなのではないだろうか。それが違った。Fは一家心中をはかったのだろうか。もしそうだったならわたしは彼に面会になど行く気はなくなる。もうFの放火事件のことは忘れよう。もともと同僚といっても顔を合わせれば挨拶する程度の仲だったし彼と以前親しかった運転手もFのことをあまりよく言わなかったではないか。
 いま手元に毎日新聞12月2日27面の「タクシー一家5人心中」の記事がある。これも病院のベッドのなかで見たのだが宮城県名取市での48歳の運転手がおこした事件。記事の最後のところを引用させていただく(記事には須藤唯哉、伊藤絵理子とお2人の署名がある)。
……板垣さんは3年前からタクシー運転手をしていた。
 仙台市は02年の規制緩和に伴いタクシーの台数が激増し、運転手の平均年収が二百数十万円に落ちるなど、「仙台タクシー戦争」とも呼ばれる厳しい環境にある。しかし、板垣さんは明るさを失わず、いつもニコニコしていて穏やかな性格という。

 因みにわたしのタクシー運転手としての先月の給料は手取りで14万円。仏法社会主義日本を代表する政党・公明党の冬柴(まんがの「こまわりさん」に登場する人物そっくりのあの男)がテレビでうれしそうに言っていたがタクシー運転手の給料は生活保護で給付されるカネとほぼ同額。(これもNHKテレビで見たのだがロンドンのタクシー運転手の年収は日本円にすると600万円強らしい)
 バードタクシーにはそれでも運転手が見境もなくどんどんと入ってくる。ドジョウ髭はやしてちゃちなサングラス、住吉会系の下請けチンピラでもやらない後進的なスタイルで大手を振って、いや左腕を助手席に乗せたままの横着な片手運転くわえタバコで県庁のある街を中心にタクシーをころがしている。とても見いいものではない。
 タクシー業界にかぎらないが来年はもっともっと暗い悲惨な事件がわたしたちを待っているに違いない。わたしは血を吐いたまま死んでいた方がよかったのではないか。いや、生かされた以上は寿命がつきるまでわたしはわたしの人生を力一杯生き抜こうと気持ちをあらたにしているところです。
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by hiroto_yokoyama | 2008-12-06 12:18 | ブログ
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