金太郎飴のような信長についての本

 藤木正行『信長の戦い① 桶狭間・信長の「奇襲神話」は嘘だった』(洋泉社)という新書を読んだ。藤木氏の本は『信長の戦争』、『偽書「武功夜話」の研究』、『信長は謀略で殺されたのか』などを繙いてそのたびに「えっ、秋山駿『信長』は眉に唾をして読まないとならないのだな」とか色々気をつけないといけないことを知らされてきた。
 新刊の『信長の戦い①』も太田満明とか橋場日月など、わたしが聞いたこともない人の説にとどまらず黒田日出男とか小和田哲男などの大学の先生、あるいは谷口克広とか、名前くらいは知っている人たちの書いたものを否定して途中までは興味深いのだが著者は太田牛一の『信長公記』が一級史料であることから錦の御旗というか、バイブルのように毎回この史料のみを振りかざして論破しようと気張るだけなので読んでいる方は途中で飽き飽きしてくる。しかも十年一日の如くと言うか三十年一日の如くこればっかりのようなので感心なことだと思うのだがまた買って読んでしまうのはなんだか後を引くカッパエビセンのようだ。
 氏が『信長公記』がどこまでも正しいというのならその傍証の必要性に気づかれる日は未来永劫やってこないのだろうかと心配しつつわたしは『信長の戦い②』というのが出版されるなら懲りずにまた購読してしまうのだろうか。
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by hiroto_yokoyama | 2008-12-29 09:15 | ブログ
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