浜矩子『グローバル恐慌』(岩波新書)の書評

 きょうの讀賣新聞15面に論説副委員長の榧野信治という人が見出しの本を紹介している。本屋に行ってちょっと手にしてみようという気になった。
 著者の浜さんという人はテレビで見て知っている。髪を紫色に染めた口もとがアンコウのような、あのおばさん。この人がエラいなあと思うのは「ブス」などと言ったら罰があたりそうなくらいの気迫というか迫力を感じさせる物言いなのだ。おのが醜さを完全に飼い慣らしている。難しいことをおもしろく例えて無理に納得させてしまうのがこのおばさんの持ち味でもある。以下に記事から引用させて貰う。
……金融危機の根っ子には、低所得者向け住宅融資であるサブプライムローンがある。ローンが証券化されてばらまかれ、危機が世界中に拡散した――。これが金融危機の原因とされるが、……
 ところが、本書を読んで思わず納得。実に簡単に説明しているからだ。ローン証券化は、飲み屋のツケに例えればわかりやすいという。飲み屋にとってツケは貴重な債権だが、簡単には現金化できない。そこで飲み屋は一計を案じ、ツケの請求書を何枚か束ねて福袋を作り、それを町の人に販売する。そうすれば飲み屋は現金をすぐ手にし、ツケ回収の手間も買い手に押しつけることが出来る。
 めでたしめでたしのはずが、ツケの客が支払い不能に陥ったことで、福袋を買った人たちが大損し、怒り心頭で飲み屋に詰めかける――。
……
 分かったような気になるが、どこかで騙されたような気分が残るのはわたしの飲み込みが悪いせいなのだろうか。
 著者はこうした手法で、金融の現代史も解説してくれる。その上で世界同時不況はあと10年続くと指摘する。実に恐い予言本でもあるのだ。
 ということらしいが、本屋で手に取るほどのこともないかも知れない。
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by hiroto_yokoyama | 2009-03-08 05:02 | ブログ
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