ICレコーダーにアイディアを吹き込んだ

 きのう(6月25日)もタクシー乗務はひまだった。あいかわらず客は少ない。客待ち(駅につけないときは「無線待ち」)時間の長いこと長いこと。ちなみにノルマの2万円稼ぐのに早朝5時から夜の11時までかかってしまった。
 大事なことはこの一見無駄と思える時間をどのように過すか、だ。ほとんどの馬鹿どもは水揚げかバクチの話。くだらなくて聞くのも嫌だ。賢明なわたくしめはICレコーダーに映画のアイディアを吹き込んだり何かする。本来は秘密なのだが、きのうの中味を内緒で披露しよう。
 吉行淳之介という作家のものは十代の頃ほとんど(と言っても初期の分)読んだ。福岡の英数学館という予備校に通うためにはじめて下宿した。最寄り駅は西鉄大牟田線高宮駅。わたしは西口をいつも利用したがそこに貸本屋があった。最近でこそレンタル・ビデオ屋がコミックの貸本をはじめたところもあるようだがわたしの年齢より下のものには貸本屋と言ってもピンとこないだろう。
 その高宮駅の貸本屋。愛想のないババァがいつも店番をしていたがそこで吉行淳之介の『驟雨』などを借りて読んだ。受験勉強などそっちのけ吉行作品をナンパの教科書にして天神の岩田屋(福岡の老舗デパート)界隈でたくさんの女性たちと無理に知り合いになったものだ。
 10年以上前になるだろうか。顔見知りの凡庸な映画監督が吉行作品の『砂の上の植物群』のリメイクを発案したが著作権継承者にそっけなく断わられたと本人から聞いた。『砂の上の植物群』と言えばわたしは新刊で出たときにすぐに購入。とても好きな小説だ。たしか絵のタイトルか何かだったらしいがとても素敵な題名だ。
 中年のしがないセールスマンが東京タワーで女子高生と知り合いになる。彼女に頼まれてこの女子高生の姉とまでナニをするのだが「これぞ文学」とわたしは読んだときからそう思ってきた。それを才能もないくせに映画にしたいと聞いて内心むらむらと来た。早速文庫で再読しさっさとこっちで許諾をとり映画にしてやろうかと考えたがそのままにしてある(淳之介の妹さんの吉行和子さんに連絡してみようかと思っただけでアクションは起さなかった)。
 『星と月とは天の穴』というのも名作だ。わたしはオートバイを運転して交差点でダンプカーに激突、九死に一生を得(ワッ、月並みな表現! )て入院中に読んだような記憶があるがこの記憶は間違っているかも知れない。読んだのは確かに読んだ。この小説と『砂の上の植物群』を混ぜ合わせてみたらどうか。これが昨日ICレコーダーに吹き込んだアイディア。
 誰かがこの拙文を読んでパクるかも知れない。それはそれで結構。映画にできるものならしてみてほしい。なまけ者のわたしだが映画館にまっさきに足を運ぶことだろう。映画化難易度ウルトラC。どうせ誰にも出来ない企画だろうからわたしが重い腰を上げようかな。
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by hiroto_yokoyama | 2009-06-26 07:40 | ブログ
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