MacでもWindowsでもすぐに「古本通販カタログ」にアクセスしやすいようにしている。もう20年もまえになるだろうか。田村氏の訳でたしか富士見書房版文庫3冊(上・中・下)をむさぼり読んで驚いたことがある。
つい最近まで學藝書林版の11巻があるとは古本通販カタログで検索するまで知らなかった。タクシーの乗客から貰うチップがたまったので思いきって全巻を注文した。2つの古本屋に第11巻と第1巻から第10巻までを頼んだのだがきのうそろった。 まえにも弊ブログに書いたかもしれないが、この『我が秘密の生涯』をベースにわたしの「秘密の生涯」を書こうと思っている。どこからどこまでが本当か嘘か読む人(まだ人に読ませようとは考えていないが)にも勿論自分でもよく分からないようにして書いてみようとしている。あの今昔物語が「今は昔」ではじまるようにわたしの「秘密の生涯」は「昔男は映画監督だった」という書き出しで始めようかな。「むかし」ある男が映画監督だったととってもかまわないが昔男(「むかし男」)という名の主人公にしようかな。「秘密の生涯」だけに相手(わたしの場合はすべて女性。男はひとりもいない)がある。登場人物がかりに実在している女性だったりしてもその人に迷惑がぜったいかからないためにも「昔男」にするのがいいだろう。 『我が秘密の生涯』は作者不詳。ベースにするにはもってこいだ。著作権侵害になることはない。訳された田村隆一氏にはもちろんじゅうぶんに敬意をはらう。 そこで學藝書林版『我が秘密の生涯』の最終巻・第11巻のオビ(裏表紙の方)から以下に全文を引用させていただきます。 ……神かけて云うが、本書は、性を売り物とするポルノグラフィでは断じてない。もし、これが単なるポルノグラフィなら、作者は全十一巻という気の遠くなるような言葉の浪費をするはずもなく、かくも不器用で、しばしば重複するような構成やストーリイを展開することは絶対にないはずだ。ここには、性と人間との深い関係が、作者の誠実で無私な態度によって、つまり無私の精神と無償の行為によって、あざやかにとらえられている。したがって、本書を真に享受できるのは、文明人だけだ、ぼくはそう断言してはばからない。事実、本書に寄せられた詩人、小説家、各分野の学者の言葉を想起してみれば、それだけで充分な証左となろう。〔田村隆一・あとがき〕 以上です。
by hiroto_yokoyama
| 2009-10-19 20:40
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