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川島雄三監督『とんかつ大将』(原作:富田常雄)を見た

 図書館からビデオを借りた。昭和22年(1947年)の作品らしいが、わたしはどんな映画なのか知らなかった。タイトルからして喜劇か何かかと思っていたら大違い。見ないで返却したりしなくてほんとうによかった。
 川島雄三という監督をわたしはこの作品を見て好きになった。今村昌平監督が川島監督を尊敬していたようなのが実によく分かった。今村監督もきっと川島監督のことを好きだったに違いないし内心きっと師とも仰いでいたのだろう。
 ほかにも見られる映画があったらすべて見たくなりました。川島雄三はもしかしたら天才だったのかもしれない。
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by hiroto_yokoyama | 2008-04-30 17:50 | 映画

髙樹のぶ子『その細き道』を読む

 荒川洋治という詩人の『文芸時評という感想』という本を読んでいたら、髙樹のぶ子の新作について辛辣な意見が書いてあった。『その細き道』のころに比べてダメになったというようなことだった。
 そこでどうしても『その細き道』を読んでみたくなった。わたしは何年か前、福岡市とその近郊に住む女流作家4名の講演というか座談会というのか妙な集まりを見にいった。夏樹静子氏と髙樹氏ほか女流2名のどうというほどでもない話を聞きながらわたしより2つ年上の髙樹氏を「結構いい女だな」と思って観察した。(ご本人もご自身のことをそう思っていられるに違いなさそうなところが何とも嫌みだが)
 加堂秀三の小説に登場するヒロインに似ていると言えば髙樹氏にブッ叩かれるかも知れないがそんな感想を持ったことを覚えている。
 この小説はわたしなど還暦を迎えた男が読むより30代後半以降の、チープな軽自動車や中古のワンボックスカーに小汚いガキを乗せてすっ飛ばすことしかできないパー坊女たちには読んでもどうせ分からないだろうから、それより少し知的な女性が目にした方がはるかに社会的な意味があるかもしれない。
 まだ読んでいない女性たちに一読を薦める。
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by hiroto_yokoyama | 2008-04-30 13:29 | ブログ

國貞克則『決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法』(朝日新書)

 長いタイトルの本だがご存じの方はいらっしゃいますか。たぶんわたしのこのブログを読むような人はほとんど知らないに違いない。
 わたしがこの本を図書館に予約したのは、なんと昨年の9月でした。そして借りられたのは連休前。はじめにパソコンで予約をいれたら順番が100番目くらいだった。わたしにはへんに強情でケチなところがあることは周知のとおりです。わずか720円プラス税でさっさと本屋で購入したかったが、じっと我慢し続けた。
 さっき6分の1ほど読んで分かったことは世の中に「木を見て森を見ない」人がいかに多いかがよく分かる。わたしの大嫌いなサラリーマン、役人どもは是非本屋に走りまずは手にしてパラパラとでもいいからめくってみるとわたしの言いたいことが少しは分かるはず。少し説教じみたので言いかえます。
 わたしはポストイット(むかしノリがつくまえは付箋紙と言っていた)を貼りその紙に鉛筆でメモまで書いて読み進んでいる。面白い。たいへん興味深い。気が向いたらこの本についてもう1度なにか書くかも知れません。
 現代人の器量がごま粒のようにどんどん小さくなっていく理由のひとつぐらいがもしかしたらつかめることを期待している。
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by hiroto_yokoyama | 2008-04-30 07:01 | ブログ

増村保造監督『氾濫』(原作:伊藤整)

 若尾文子が出演しているのでDVDを借りたが映画としては凡庸。東大をご卒業になりイタリアにも留学なさった(たぶんチネチッタ)。キネマ旬報ですぐれた黑澤明論もお書きになった増村保造監督。
 最晩年の『この子の七つのお祝いに』(だったと思う)の試写会で舞台挨拶をなさるのを座席から見たのが増村監督をお見かけしたはじめで最後。関係者のはなしで撮影中もお酒を召し上がり現場がたいへんだったというようなことを聞いた覚えがある。
 まだ数本(若尾文子主演『青空娘』はもう借りてある)増村監督の映画を拝見するつもりだが監督作品だからと言うより監督が現場でどのように俳優に芝居をつけられたのかをあれこれと想像してみたいからである。
 わたしはいままで大映の超エリート監督増村保造の作品を見て(ことし『清作の妻』も見たが)驚いたことがまだ1度もない。
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by hiroto_yokoyama | 2008-04-30 05:05 | 映画

さすが世界の大監督・溝口健二

 『祗園囃子』を見た。1953年(昭和28年)の制作だからわたしはまだ5歳。当時を知っているわけがない。無論この映画は初見。
 若尾文子のデビュー作と勘違いしていた(ネットで調べてもなにが彼女のデビュー作かよく分からなかった)。そんなことはどうでもいいが二十歳(はたち)の彼女は素晴らしい。余計なことだが拙作『卍』のときの樋口可南子のように輝いている(樋口はたしか23歳だった)。『祗園囃子』の場合どうしても木暮実千代がなくてはならない。この人も見事だ。
 嘘か本当か知らないが溝口健二監督は背中に女から斬られた傷があったらしい。「このぐらいでなくちゃ女は描けない」と言ったか言わなかったか。わたしにはそんな傷どころかひっかかれたこともない。このブログで「女を描けるのはわたしぐらいしかいない」などと前に書いたが溝口健二監督に墓のなかでせせら笑われているに違いないかと思えば穴があったら入りたい。
 以前フィルムセンターで主立った溝口作品は見ているのだがなにしろわたしは若かった。それに祗園や芸者や舞子などといわれてもなんのことやらさっぱり分からない筑豊出身の田舎者。逆立ちしたって描ける世界ではない。そのせいかどうか、どことなく溝口健二を毛嫌いしてきたところがあるが還暦になって見るとようやくその良さやすさまじさのようなものを分りかかってきた気がする(撮影は宮川一夫)。
 さいわいに溝口作品はかなりDVDが出回っている。襟を正して勉強しないとならない監督がまたふえた。
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by hiroto_yokoyama | 2008-04-24 18:18 | 映画

室岡まさる著『市川雷蔵とその時代』(徳間書店)を借りてきた

 大映京都撮影所について知りたいと思ってきたがたまたま図書館で手にした同書に各パートの人たちがいろいろと書いていらっしゃる。いまむさぼり読んでいるところです。
 13人の方々の貴重なインタビュー集。わたしがお目にかかったことのある人は美術の内藤昭氏、脚本の星川清司氏、田中德三監督、勝新太郎氏の4人。
 まずデザイナーの内藤さんの「白バックでも絵になった市川雷蔵」にじっくり目を通した。撮影所や撮影現場をご存じない方には分かりづらいところもあるがこれは仕方ない。朗雷会の石川よし子さんに初めて東京でご紹介いただいてたしかつぎは福岡だったのではないか(そのとき確か田中德三監督、星川清司氏もごいっしょだった。ご両人にも石川さんにご紹介いただいた)。わたしはこう見えても遠慮深いたちで、他人様にご紹介いただいた場でずけずけと質問しまくるというのもぶしつけだから寡黙にしていたが内藤さんにたしか2度はお会いしているのであらためてお教えいただくお願いをしてもよかったのではないかと今はおおいに反省している。聞きたいことお教え願いたいことが山ほどある。だいたいスタッフは忙しくてあまり書いたりしないものなのでこのインタビューは貴重だ。
 勝さんは東映東京撮影所で『海軍横須賀刑務所』(山下耕作監督)のとき、わたしはサード(一番下)の助監督としてついたのでたった1本きりだが、おおよそその人となりは分かったような気になっていた。これは間違い。氏の「風景に負けなかった座頭市と狂四郞」を読むとそう思う。やはりもっともっとご一緒したかった。人間としてスケールの大きな人だったので、現代人の器量がどんどんごま粒のように小さくなっていく今日、インタビューを読んでいるととても懐かしい。いまや滅び去ろうとしているこの日本にはもうぜったいこのような大物は出てこないのではないか。残念でならない。
 13名の方全員のインタビューを読んだわけではない。味読するつもり。また書きます。
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by hiroto_yokoyama | 2008-04-24 06:16 | 映画

大保木輝雄氏の講演会『武芸の達人たちを斬る』を聞きに行った

 埼玉大学教育学部教授が4月から附属中学校の校長先生になられたらしい。川口のあのストーカー校長みたいな人だったら嫌だなと思っていたら大違い。1時間半の話が2時間近くなっても誰も席を立つ人がいなかった。
 わたしはメモをとりながら話を聞いた。たいへん勉強になった。長谷川伸『相楽総三とその同志』を知って以来関東武士のことをもっと知りたいと思っているが大保木先生の話もたいへん刺激的であった。「もののふ」はただ剣を振りまわすばかりでなく剣そのものになろうとしたというのが印象深いし、剣道を明治維新以来2度にわたって禁じられ日本人は背骨を引き抜かれてしまったのではないかという説にわたしは賛成だ。魚の鮎を食うのに背骨を上手に引き抜いて食う食い方をテレビか何かで見た記憶があるが日本人は鮎であってはならない。(わたしは鮎が嫌いだ)
 きょうは大保木先生のお話におおいに励まされました。
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by hiroto_yokoyama | 2008-04-19 20:21 | ブログ

宮城谷昌光『古城の風景4 德川の城 今川の城』(新潮社)を読了

 文庫を購入したのはたしか先月末だった。雑誌の「波」に連載中ではじめからこの『古城の風景』のことは知っていたのだが難解な字がたくさんあって怖くて近づかなかった。
最近『新潮 日本語漢字辞典』を手に入れ難しい字があっても物怖じせずに済む。
 待ってましたとばかりに文庫の第1巻を買い、むさぼるように読んだ。宮城谷という人のことをわたしはほとんど知らないが年齢はわたしよりたしか2つ、3つ上。年が近いと同じ時代の空気を吸って還暦までやってきたせいか安心だ。特にわたしが軽いせいか少し重いくらいの文章を書くくらいの人がいい。年下の人には軽さが気に障る人たちが多い。
 で、文庫はまだ1巻のみしか出ていないので図書館から単行本を第4巻まで借りてさっき読み終わっていい気持。連載中のことでもあるしこれから未刊行の部分を、本屋で貰ってきた「波」のなかから探し出して読むのが楽しみだ。
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by hiroto_yokoyama | 2008-04-19 08:40 | ブログ

川島雄三監督『雁の寺』

 わたしはたいへんな勘違いをしていた。三島雅夫扮する寺の和尚を中村鴈治郎が演じたとばかり思いこんでいた。
 さらにもうひとつ。その鴈治郎の坊主が自分の部屋で化粧水みたいなものを顔にぬるシーンがあったような気がしていた。どうやらこれも思い違いらしい。DVDにはそんなシーンはない。
 若尾文子見たさに近所のレンタルビデオ屋から借りてきたのだがやはりわたしは三島雅夫より中村鴈治郎の和尚の方がよかったのではないかと思えてならない。若尾文子はこのあいだの都知事選では頑張っていたようだがわたしは女優若尾文子が好きなのであって都知事の奥さんなどになったら多分嫌いになっていたに違いない。女優若尾文子についてはまだまだたくさん言うことがあるのだがおいおいこのブログで書いていくことになるだろう。
 『雁の寺』は川島雄三ファンでなくても見ておいた方がいい。『幕末太陽伝』もむかし見たのでずいぶんと記憶違いがあるかも知れない。ちかぢか見直すつもりだ。『貸間あり』は未見。なんとかして見たいのだが。
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by hiroto_yokoyama | 2008-04-13 12:53 | 映画

川島雄三監督『しとやかな獣(けだもの)』もなかなかいい

 何度か書いたがわたしは伊藤雄之助という俳優が好きだ。ご子息とは『犬神の悪霊(たたり)』でたしかご一緒した(わたしはペイペイのサード助監督)がすでにそのときご父君の伊藤氏は故人だった。(監督はわが恩人の伊藤俊也監督なのだが同じ伊藤とは言っても親戚でもなんでもないらしいです)
 で、この伊藤雄之助見たさに『しとやかな獣』のDVDを借りた。主演の若尾文子はとても魅力的。こんな女が現実にいたら騙されてみたいと思うのはわたしばかりではないはず。大先輩の悪口は言いたくないが新藤兼人の脚本がもうひとつだ、と思います。
 それにしても必見の映画ですぞ。若いころは『しとやかな獣(けもの)』なのか「獣(けだもの)」なのか大いに悩んだものだが、やはり『しとやかなけだもの(獣)』の方がタイトルとしては落ち着きますな。安心しました。
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by hiroto_yokoyama | 2008-04-12 21:10 | 映画