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『建築家 安藤忠雄』(新潮社)を読んで勇気づけられた

 図書館から借りておとついの夜読みはじめたがやめられなくなった。タクシー乗務にさしさわりそうなので無理に本をとじ長男におしつけて床に入った。
 きのうタクシーで客待ちをしていても暮れだというのにさっぱり乗客がいない。ポイントをためはじめた本屋に同書を買いに走った。駅で順番を待つ車の中でつづきを読みはじめたが熱中しすぎてうしろのタクシーに迷惑をかけそうになる。ここでも断念。非番のきょう朝早くから再開しついいましがた読みおわる。
 ことし一番おもしろかったのがこの本。安藤氏とわたしの年齢差はわずかに7年。もっと早くこの自伝が刊行されていれば氏の生き方を真似ることもできたのになどと60にもなってすぐに甘えた考えを持ってしまう自分をきびしく戒めて新しい年を迎えるつもりです。
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by hiroto_yokoyama | 2008-12-31 10:58 | ブログ

木田元『なにもかも小林秀雄に教わった』(文春新書)は刺激的

 年の暮れにまた恥をひとつさらそう。日夏耿之介という詩人のことをみなさんはご存知だろうか? わたしはこの詩人を図書館で見るか何かで知っていた。勝手に「くさかしゅうのすけ」と読んでいた。木田氏の本では41ページの最終行に出てくるがなんと「ひなつこうのすけ」とルビがふってある。えーッ、てなもので穴があったら入りたい気持ちになった。
 刺激的というのはこんなことではない。来年一年かかっても読みおおせないくらいの魅力的な本について紹介されている。あれも手にとってみよう。これも読んでみよう。希望に胸ふくらませて新年を迎えられる幸せを噛みしめている60歳のわたしなのであります。
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by hiroto_yokoyama | 2008-12-29 19:30 | ブログ

ことしも残すところあと3日

 弊ブログは記事数がこれで822になる。「全体の訪問者数」は59909。年内に6万アクセスということになるのだろうか。
 はじめたのは2004年7月13日。タクシー運転手稼業は同じ年の9月にはじめたのでともに5年目にはいった。惰性であろうがなんであろうがこのまま死ぬまでつづけられそうな気配である。
 12月1日に下血・吐血で救急車に乗り込むとき、二男にブログの閉鎖を頼んだ。内視鏡を覗きながら若い先生がクリップで出血を止めてくださったので不思議に死なずに済んでここにこうして存在している。寿命がつきるのはいつかわたしには見当もつかないがそう遠い日のことではあるまい。
 息子がわたしに代わってクローズするご挨拶の記事をアップする日まで、お暇な方はときどき拙ブログを覗いてみてください。みなさまにとりまして新年が良い年になりますよう祈念しまして年末のご挨拶といたします。なんちゃって。
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by hiroto_yokoyama | 2008-12-29 09:43 | ブログ

金太郎飴のような信長についての本

 藤木正行『信長の戦い① 桶狭間・信長の「奇襲神話」は嘘だった』(洋泉社)という新書を読んだ。藤木氏の本は『信長の戦争』、『偽書「武功夜話」の研究』、『信長は謀略で殺されたのか』などを繙いてそのたびに「えっ、秋山駿『信長』は眉に唾をして読まないとならないのだな」とか色々気をつけないといけないことを知らされてきた。
 新刊の『信長の戦い①』も太田満明とか橋場日月など、わたしが聞いたこともない人の説にとどまらず黒田日出男とか小和田哲男などの大学の先生、あるいは谷口克広とか、名前くらいは知っている人たちの書いたものを否定して途中までは興味深いのだが著者は太田牛一の『信長公記』が一級史料であることから錦の御旗というか、バイブルのように毎回この史料のみを振りかざして論破しようと気張るだけなので読んでいる方は途中で飽き飽きしてくる。しかも十年一日の如くと言うか三十年一日の如くこればっかりのようなので感心なことだと思うのだがまた買って読んでしまうのはなんだか後を引くカッパエビセンのようだ。
 氏が『信長公記』がどこまでも正しいというのならその傍証の必要性に気づかれる日は未来永劫やってこないのだろうかと心配しつつわたしは『信長の戦い②』というのが出版されるなら懲りずにまた購読してしまうのだろうか。
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by hiroto_yokoyama | 2008-12-29 09:15 | ブログ

高齢者と犯罪

 と、題してきょうの毎日新聞2面「時代の風」というコラムに精神科医の斎藤環という人が「安心して枯れる社会を」という提言をしておられる。末尾の何行かを引用する。
 「人は年と共に澄んでゆく」と河上徹太郎は言ったが(『私の詩と真実』)、加齢は孤立をも研ぎ澄ます。いま必要なのは、高齢者福祉の充実もさることながら、彼らを支える家族や関係者への充分な支援ではないだろうか。
 わたしは斎藤氏のコラムに大いに期待したが得られたことは以下の2つ。
 07年中の一般刑法犯検挙人数のうち、高齢者、すなわち65歳以上の者は4万8605人を占めていた。統計を取り始めた86年以降では最多であるという。9年前の98年は1万3739人で、それに比べて実に3・5倍の増加となっている。この間の高齢者人口の増加は約1・3倍なので、人口の増加をはるかに上回るペースだ。
 これは先月発表された2008年度版『犯罪白書』の「高齢犯罪者」を見れば分かることのようだから別に斎藤氏の創見ではなさそう。
 作家の藤原智美氏は、著書『暴走老人!』(文芸春秋)で、現代社会に特有のマナーやメディアなどのコミュニケーション環境が、それになじむことのできない多くの高齢者たちを疎外していることを指摘した、らしい。
 これにも斎藤氏の意見というのはゼロ。
 心掛けを言うだけなら誰だって言える。精神科医といってもこの程度の医者ばかりなら日本の精神医療の先行きは暗い。わたしなら老人たちの全員が自分の加齢臭に気づき口臭に気をつける心掛けだけをまず説く。つぎに現代社会になじむ必要はなくむしろ回りの人間を自分の流儀にしたがわせる工夫をし犯罪いっぽ手前で踏みとどまるこらえ性をトレーニングによって身につける技術を開発しようと有識者たちに呼びかける方が現実的だと思うがいかが。
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by hiroto_yokoyama | 2008-12-28 09:58 | ブログ

柴田宵曲『俳諧随筆 蕉門の人々』(岩波文庫)を読んでいるのだが

 なかなか読み終らない。途中で放り投げないのはとっても素敵な俳句がいくつもあって著者の解説というか説明がとてもわかりいいから読みづらいが挫折しないで1、2ヶ月に及んでいる。
 俳諧、発句、俳句などいまだになんのことやら分からないが、やたら松尾芭蕉のことはずっと気になり続けてきた。この本のおかげで今度こそ一歩踏み込めそうなのだが、俳句ばかりは横書きでは気分が出ない。このブログで一句も紹介できないのは残念無念。
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by hiroto_yokoyama | 2008-12-17 22:25 | ブログ

明野照葉『かっぱタクシー』を読んだ

 いつのなに新聞か覚えていないのだが読書欄か文化欄かで見出しの小説のことを知った。この短篇が収録されている『澪つくし』(文藝春秋)という図書館から借りた本の返却日が過ぎているのを今朝知ってあわてて読んだ。
 68歳になる個人タクシーの運転手と痴呆症の妻の話。どこまでが現実でどこまでが嘘か判然としない不思議さが魅力。身につまされるところもあるし終わりが暗くなりがちな結末なのに妙に明るいというかホッとさせらた。この女流作家の作品をあと2つ3つすぐにでも読んでみようと考えている。
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by hiroto_yokoyama | 2008-12-17 22:12 | ブログ

人形芝居を見に行くはずだったのに

 わたしはちゃんとした人形芝居というものを見たことがない。3日まえの毎日新聞夕刊で結城座が「平成のぞきからくり破れ傘長庵」を上演すると知ってさっそく電話で予約。映画では『破れ傘長庵』は『不知火検校』とならんで座頭市シリーズにつながる勝新太郎の代表作。映画の原作は確か宇野信夫になっていたと記憶(わたしの記憶はあてにならない)しているが人形芝居は河竹黙阿弥の「勧善懲悪覗機関(のぞきからくり、ルビ)(村井長庵)」が下敷きになっているもよう。
 楽しみにしていたのに昼寝から覚めてもどうしても起きあがれない。12月1日のマロリー・ワイス症候群で吐血・下血した体がどうやら完治していないようだ。とても三軒茶屋まで行く元気がでない。泣く泣くキャンセルの電話をいれた。かわりに図書館に黙阿弥の歌舞伎上演台本を予約。
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by hiroto_yokoyama | 2008-12-11 17:45 | ブログ

黒澤明監督のこと

 きのう(12月10日)の東京新聞夕刊7面「大波小波」というコラムのタイトルは「死せる黒澤明」。わたしは黒澤監督について知っている方だと思っていたがなにも分かっちゃいない。同コラムから部分を引用。
……次に終戦直前に構想した、ジャンヌ・ダルクの日本版『荒姫様』の資料を調べること。原節子が男裝して戦う話であったという。
 へぇーッ、『荒姫様』という企画があったというのははじめて知った。
 あの『白痴』は若いころ文芸座かどこかで見て見たつもりになっていたがオリジナルが
……本来二五六分の大作であったものが、松竹の無謀な方針から一六六分に短縮されたため、難解な失敗作と誤解された不幸な作品である。……
 たしかに見たとき退屈な映画だと思ったがこの作品の正確な長さをわたしは知らなかった。
 前後するが
……『トラ・トラ・トラ!』の撮影部分を発見し公開するとこ。
 とある。これが多分実現するのが一番むつかしいのではないだろうか。もしハリウッドの映画会社の倉庫からでもラッシュフィルムが発見されるようなことでもあれば是非見てみたいけれど。
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by hiroto_yokoyama | 2008-12-11 09:29 | 映画

鬼が夜泣いた

 きのう(12月10日)の毎日新聞1面「余録」に書いてある。「鬼が夜泣いた」という語句は興味深い。
 はじめの部分を引用させて貰おう。
 この世に初めて文字が生まれたとき、「鬼が夜泣いた」という。中国の伝承だから、文字とは漢字のことである。文字ができたことでその所業が子細に記録され、糾問されるようになる。鬼――つまり霊魂や妖怪たちはそれを恐れ、夜泣いたといわれる。▲(向きが新聞にある原文とちがう。横山)伝説上の黄帝の史官、というから今でいう書記官だ。……
 「書記官」で勘のいい方はもうお分かりでしょう。あとは例の京都家裁の書記官のつまらない事件に話が及ぶのだが、わたしには関心がない。
 「鬼が夜泣いた」という伝承はどのような史料にあるのだろうか。わたしはそのことの方をはるかに知りたい。鬼が泣いているところを見てみたい。
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by hiroto_yokoyama | 2008-12-11 08:38 | ブログ