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松本清張『渡された場面』(新潮文庫)

 裏表紙の宣伝文句。はじめとおわりを引用。
四国の県警捜査一課長香春銀作は、文芸雑誌の同人誌評に引用された小説の一場面に目をとめた。……中央文壇志向の青年の盗作した小説が鍵となる推理長編。
 北浦和の古本屋チェーンの文庫棚で清張さんのものを物色中この文句が目に入り読む気になった。長編はどうかなと危惧したものの一気に読み終えることが出来た。すごい筆力だ。右バッターが外角に来る球を強引にレフトスタンドまで運ぶような豪快な運び。おもしろい。
 10年くらいまえから松本清張年譜をなんども見てきた。タイトルを覚えているので読んでいないのに読んだ気になっている作品がかなりある。この『渡された場面』もそのひとつ。「松本清張論」を書くつもり(わたしには書けないが)になってひとつひとつ丁寧に読んでいこうと思っている。
 古本屋チェーンであと2冊購入。『内海の輪』(角川文庫)、『強き蟻』(文春文庫)。後者はタイトルに惹かれた。巻末の権田萬治氏の解説によると西東三鬼の句「墓の前強き蟻ゐて奔走す」からとったらしい。
by hiroto_yokoyama | 2010-02-22 06:01 | ブログ
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