みょうな巡り合わせでこの本を知った。枕元に「別冊 文藝春秋」創刊200号記念号(平成4年(1992年)夏)をだいぶ前から置いて寝ている。同誌掲載の郡司勝義『藤の花のころ ─小林秀雄の思い出─』を読みたいからである。何度読みかけても、なぜかわたしには読みづらく、途中でほうりなげてきた。と言ってこの雑誌をすてる気にもならず、邪魔だが、放りっぱなしにしてあった。数日前、少し酔って読み始めると、これまでになく入って行けた。同誌503ページに、ちょっとそそられる件(くだり)がある。
五味康祐が、実在の女優の名前を使って、『スポーツマン一刀斎』を週刊誌に連載した。名前を使われた方の女優の猛反撥によって、「色道修業の巻」のみで終ったが、狂言廻し訳がこの老人に与えられたのであった。 「この老人」とはなんと小林秀雄の叔父さん。設定は「架空の人物」と書いてある。なんのことやら、さっぱり解せない。郡司勝義という人はどういう人か知らないが、わたしが「読みづらく」感じたのは、こういう書き方に違和感を覚えるからだ。でも、そんなことはどうでもいい。「名前を使われた方の女優の猛反撥」というのにミーハー心をくすぐられて『スポーツマン一刀斎』を手にしたという訳だ。 巻末の「収録作品解題」からはじめの部分を引用。 『スポーツマン一刀斎 色道修業の巻』は、昭和三十一年十一月から翌年五月にかけて「サンデー毎日」に連載されて未完に終わった。その年の八月に「小説新潮」に完結編が発表され、九月に新潮社より刊行された。 わたしは途中まで(週刊誌の連載分か?)ゲラゲラ笑いながら読んだ。終りの方は、失速してつまらないが、たぶん「完結編」であろう。ともかく大半はとてもおかしい。どんな女優が登場するか、だって? それは内緒。最後に余計なことを付けたすと、わたしも故・石沢英太郎の推理小説に、名前だけだが1度登場したことがある。題名は失念した。(たぶん家を探せばある)
by hiroto_yokoyama
| 2010-05-20 18:48
| ブログ
|
カテゴリ
以前の記事
2012年 11月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||