わたしがこの本の存在を知ったのは20年以上前だ。当時、日本映画学校の講師をしていた関係で留学生・李君に誘われて韓国を旅行した。李君に韓国で最大の映画会社(名前は忘れた)の会長という人を紹介された。その人から持ち出されたのが日本で刊行されたばかりの『閔妃暗殺』だった。閔妃(ミンビ)というのは「朝鮮王朝末期の国母」。日韓併合以前、「日本政府関係者らによって殺害された」。暗殺された翌日のニューヨークタイムズは1面でこの事件を扱っている(マイクロフィルムで確認済み)。わたしは映画会社の会長に閔妃が殺された場所に連れて行かれた。わたしは日本人として手を合わせるしかなかった。会長は「日本の方はみなさん、そう(合掌)なさいますよ」と微笑を浮かべながら言った。「どうです? あなたが監督して映画にしませんか!」
この会長は実行力のある方で、すぐ東映にかけあったらしい(伝聞。わたしが自ら動いたわけではない)。結果は「けんもほろろ」。その後、今村昌平監督のもとに打診があったと脚本家の某氏から聞いた。 わたしは力もないくせに未だにこの『閔妃暗殺』の映画化に未練がある。ただ、どこから手をつけていいのか皆目見当がつかない。 ワールドカップで愚かな日本のサポーターがカメルーン戦に1勝したくらいで喜んでいる姿を見て、彼らのうち何人が閔妃暗殺の事実を知っているだろうかとわたしは密かに切歯扼腕している。日本対韓国戦まで行くか行かないかをわたしは知らない。しかし仮に韓国と戦うことになっても苦戦することは間違いない。なぜなら韓国も北朝鮮も朝鮮半島に住む人々は「国母が日本人に殺された」という事実は皆知っている。知らないのは暢気な日本選手とそのサポーターばかりなのだ。これでは勝負にならない。日本のマスゴミは、なぜ、韓国が、北朝鮮が日本に対してかくまでコンペティティブになるのかの訳を報じようとしないのか。不勉強だからだろうか。それとも知っていても恐ろしくて頬被りをしてしまうのだろうか。謎である。
by hiroto_yokoyama
| 2010-06-16 05:59
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