作者・田宮虎彦の名前は『絵本』『足摺岬』などで知っていた。知っているだけで作品を読んだことはなかった。この『寛永主従記』を図書館から借りたときから読み惜しみをしながら読み進めた。興味深くて急いで読み終わるのがもったいない気がしたのだ。
巻末の萩原得司氏の「解題」からいくつか引用させていただく。まず評言。 河上徹太郎氏の「玄人の純真さ」、三島由紀夫氏の「小説家としての持ち前を持って居ながら詩人の心を持っている人」、滝井孝作氏の「これらの歴史小説には性根のある人物が出てくるので私は好きです」、大岡昇平氏は「歴史文学論」で、状況設定・人物心理の「造型に殆ど完全に成功している」と述べ、城山三郎氏は「人生に真正面から取組もうとする誠実さを押し貫いた末に、広々とした歴史の世界の中に、その鮮かな花を咲かせた」と森鷗外氏以来の硬質の歴史小説のよみがえりを見ている。 田宮虎彦自身の言葉2つを引用。 歴史小説を書くものは、歴史の中の人物が行為したところとしてかならず封建思想、封建制度、封建道徳と対決せねばならぬ。それを作品の世界でどのように解決するかが、作品を決定する重大な要素になることも、もちろん、いうまでもない。しかも、作家が生きている現実をふんまえて、それがなされねばならぬのである。 もうひとつ。 私は、人間の幸福をまもりぬきたいと思ふ。すべての人間の幸福をである。限られたごく少数の人の幸福のために、多数の人々の幸福をうばはうとする人があつたら私は、自分の幸福を賭してもたゝかひたいと思ふ。 今の政治屋どもの多くについて言っているようにわたしには聞こえて仕方がない。
by hiroto_yokoyama
| 2010-07-07 08:45
| ブログ
|
カテゴリ
以前の記事
2012年 11月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||