胃を三分の二切ってたくさん食べられなくなったが手術したおかげで体調は前よりもいい。先日さいたま市の無料検診をうけに近所のクリニックにいくと「なめてはいけません。あと3年は再発に気をつけなさい」と注意された。CTで定期的に臓器を断層撮影する必要があるようだ。
ガンだと言われたときは頭の中が真っ白になりこんな日がくるなどとは思いもよらなかった。わたしは命拾いをした。もうかった。2008年の3月(タクシー会社を満六十歳で定年になる。凡俗の「定年」などというものを経験するつもりなどこれまでカケラもなかったのだが)まではタクシー運転手をやるので再発のことなど心配してはおられない。乗務あけの日と休みの日を新作の準備にあてられる。再発のおそれがあるあと3年などはあっというまにすぎるだろう。
ハイデガー『存在と時間』を実用的に読んだ(誤読? )りしたのは世界広しと言えどもわたしくらいのものではないだろうか。