『真昼の決闘』(1952年、監督:フレッド・ジンネマン)を見たのは3日まえ(3月30日)。きょうは『オペラ・ハット』(1936年、監督:フランク・キャプラ)を堪能した。若いクーパーもいいが中年の保安官のクーパーはもっといい。スタンダードナンバーになった「ハイヌーン」の調べにのって恐怖におののく孤独な保安官が街をさまようさまがなんともいえなかった。わたしはそれ以来飯が3日も喉を通らない。
ゲーリー・クーパーの名前をはじめて聞いたのはたしか小学校にはいりたてのころだった。ひとつ年上のいとこが見てきた映画の話をした。わたしは「下痢? 食うパー? なんね、それ?」と聞き直した。いとこは「下痢じゃない! ゲーリー・クーパー! きのう映画見にいったと言いよろうが」と苛立ってこたえた。中学に入ってそのゲーリー・クーパーの映画をはじめて見たようだが題名を思い出せない。 『リオ・ブラボー』でジョン・ウェインがライフル(木でできた肩当ての部分)で悪漢を殴る格好がいいと誰かに聞いたことがある。石井輝男監督の『網走番外地』の第一作で走る汽車の下にもぐって手錠をはずすシーンのことを教えたのは高校の同級生。映画のヒーローを教えてくれた人たちの顔が浮かぶ。とうの本人はわたしに語ったことなどとうに忘れ去っていることだろう。 『真昼の決闘』に話を戻すと死刑をまぬがれた悪者が戻ってくる。仲間3人をいれた4人でゲーリー・クーパーの保安官を正午の列車で殺しに来る。ともに闘ってくれる人はひとりもいない。このままでは殺される。主人公の絶望的な孤独感。音楽と調和してなんとも味わい深い。必見ですぞ。 フレッド・ジンネマンは『ジャッカルの日』も監督している。フランスのドゴール大統領を暗殺しようとする殺し屋のはなし。わたしはこの映画が大好きだ。DVDもとっくに用意している。映像を止めたりもどしたり体調のいい日にじっくりと研究するつもりです。 わたしの監督第一作『純』を「硬質の叙情性」とほめてくれた人がいた。次回作は目的に向かってまっすぐすすむ孤独な男を描きたい。
by hiroto_yokoyama
| 2006-04-02 23:50
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