『ミステリの書き方』(H.R.F.キーティング、長野きよみ訳 早川書房 横山所有)206ページから。
「…小説家E・M・フォースターの『小説の諸相』という薄い本から、しばしば引用されている言葉を借用したいと思う。これは一九二七年という昔に書かれたものだが、かならず得るものがあるはずだ(たいていの図書館にリプリント版がある)。彼は次のように書いている。 「プロットについて定義しよう。物語(ストーリー、原文はルビ。横山の注釈)とは、時間の経過にしたがって事件を語ることである、とすでに定義した。プロットもまた事件を語るものだが、因果関係に重点がおかれる。〝王が死に、次に王妃が死んだ〟というのはストーリーである。〝王が死に、悲しみのあまり王妃が死んだ〟というのがプロットである」 フォースターはさらにべつの例をあげている。 「王妃が死んだ。しかしだれにもその原因がわからなかった。だが、あとになってそれが王の死を悲しむあまりだということが明らかになった」プロットとは、このように、内に謎をふくみ、発展する可能性をもったものである、と彼は言っている。これは心にとめておくべきだ。」(同書 206~207ページ) 図書館のホームページを検索してみたらこの本があったのでわたしは借りてみた。 『小説の諸相 E・M・フォースター著作集 8』(中野康司訳 みすず書房)271ページ「訳者解題」にも 「…つまり、ストーリーに因果関係が加わったものがプロットである。(途中略、横山)したがってストーリーは、「それからどうなるんだろう? 」という好奇心だけで読み進むことができるが、プロットは、「なぜこうなるんだろう? 」と頭脳を働かせながら読み進まなくてはならない。すでに語られた事実と新たに語られる事実の因果関係について思考をめぐらせながら読み進まなくてはならない。つまりフォースターの定義によれば、ストーリーは時間と好奇心の世界であり、プロットは論理と知性の世界である。フォースターはプロットをストーリーより数段高級なものと考える。」 とある。 この本のどこにそう書いてあるのかわたしは味わいながら読み進めようと思うがいかんせん図書館の本なので返却期日がある。どうしても手もとに置いていたくなればネットで発注しなくてはならない。
by hiroto_yokoyama
| 2006-09-08 17:33
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