今月の新潮文庫の案内に『剣聖』というのがある。池波正太郎、津本陽、直木三十五、五味康祐 、綱淵謙錠の5人の作家たちの「剣の境地はいずれにあるか、文庫でも読めなくなっていた名作が大復活」という宣伝文句を見て上泉伊勢守がきっと収録されているだろうと見当をつけた。
単細胞のわたしは何日か前に読んだ『複眼の映像 ―私と黒澤明』のことが頭から去らずに困っていた。同書132ページ、133ページから引用。 (橋本忍)「昔の直木三十五から、現代の五味康祐まで剣豪物は山ほどある。しかし、ネタ本は一本だけで……徳川時代に出版された『本朝武芸小伝』です」 (黒澤明)「『本朝武芸小伝』?」 「この本を図書館から借りたら、二週間でホンは出来ます」 「じゃ、橋本君、このオムニバスやってみてくれる?」 『七人の侍』のスタートだ。夜盗と戦う侍が決戦のとき刃こぼれをしても困らないように何本も刀を地面に差すシーンがある。わたしは漫画で上泉伊勢守がこれと同じことをするのを見た記憶がある。そのネタもとは『本朝武芸小伝』だったのか。もっと言えばロバート・ウェーバー(だったと思う)主演の『殺しのテクニック』という映画で主人公の殺し屋が悪者たちと取引する公園に前日行って拳銃をそこかしこにガムテープで貼り付けるシーンがあるが、わたしは用意周到なことが好きなのだ。 で、池波正太郎『上泉伊勢守』を寝る前に蒲団の中で読み始めようとしている。
by hiroto_yokoyama
| 2006-10-08 22:22
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