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吉本隆明氏の親鸞

 図書館で吉本隆明『今に生きる親鸞』(講談社+α新書)を借りた。13ページに
親鸞は真宗の始祖ですが、信仰によって僧侶であったのではなく、理念と思想がたまたま宗教の形をとらざるを得ない時代だったから僧侶であったにすぎません。また、僧侶だったから浄土門の経典を注釈したのではなく、思想がたまたま仏教の形をとらざるをえない時代だったから、仏教的であったにすぎません。」
 とあるのが強く印象に残っている。
 「浄土門」については同書11ページに説明がある。「阿弥陀仏の誓願を信じて念仏を称えれば、往生がかなえられるとする教え。浄土教系の宗派。」
 13ページから引用したつづき。
浄土門に関する限り、親鸞が仏教の終止符を打ったと言っていいのです。浄土門の思想家として親鸞は、世界的に最後の思想家でした。また、世界的な宗教者、思想家であると同時に、仏教の解体者、宗教の解体者であると言うこともできます。仏教を宗教として解体し、一種の思想運動にしてしまった人だと思います。ぼくは、だからこそ惹かれて、ずっと関心を持ってきました。」
by hiroto_yokoyama | 2006-12-19 16:58 | ブログ
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