さきに見た『荒木又ヱ門 決闘鍵屋の辻』も仇討ちものなら同じ年に作られた『お国と五平』も仇を討つ話。谷崎潤一郎原作の映画化なので見たい見たいと渇望していたが監督が成瀬巳喜男だったとは初めて知った。もうけもの。得をした。ビデオのパッケージによると成瀬監督は映画を80数本撮ったが時代劇は2つだけ、らしい。これがその1本。
映画では劇中、奥方様のお国と仲間・五平が男女の仲になる。原作ではたしかラストで話の始まるずっと前から2人はできていたとどんでん返しを喰らってショックを受けた記憶がある。『生きてゐる小平次』のことは以前にも書いた(このブログをわたしは読み直さないので詳しく覚えていない)。わたしの推量ではこの小平次は谷崎の『お国と五平』の影響を強く受けて書かれたものに違いない。映画を見て確信している。