京都・太秦の東映京都撮影所に深作欣二監督のチーフ助監督をつとめた比嘉一郎という人がいた。年齢は彼が健在ならことし還暦。わたしと同じ学年。この「比嘉ちゃん」(東映では助監督の大先輩の彼をわたしはこう呼んでいた)は何年か前(たしか)膵臓ガンで亡くなった。
比嘉ちゃんにすすめられてこの文庫本2冊を購入していたのだが10年以上たってようやく読み終った。おもしろい。誰にも読ませないつもりでこっそりシナリオにしてみようか。山田風太郎の原作ではたしか高校3年生のとき家の近くのロマン座で中島貞夫監督『くノ一化粧』(封切はネットで確認したら1964.12.12 )を見た。『柩の中の悦楽』を大島渚監督が『悦楽』という題名で映画化したのは昭和40年。大島作品を見るのはわたしはこれが初めてだった。たしか福岡市の松竹の劇場で封切で見た。
「忍法筒がらし」だとかふざけているという印象から山田風太郎の小説は読んだことがなくこの『幻燈辻馬車』がはじめて。比嘉ちゃんは深作監督『魔界転生』(1981年)でもたしかチーフをやっていたと思うが薦められたのはその直後だったかどうか。どうしても思い出せない。
山田風太郎『戦中派不戦日記』を図書館に予約した。あすあたり借りだしてみよう。