木下順二『古典を訳す』(福音館書店)という本を2001年10月30日に神田の古本屋で500円で買った。それをパラパラやっている。164ページに「
もう一つだけ、第百十二段を訳してみよう。私の好きな個所の一つである」とある。
角川文庫の『徒然草』をひっぱりだして同じところを確認した。わたしも気になって赤線を引いている。そこのところの木下順二訳を引用させて貰う。
「……
日暮れて道遠し。わが生涯はすでにつまずくことのみ。今こそ万事を捨つべき時だ。信も守らぬ、礼儀も思わぬ。この気持のわからぬやからは気違いとも呼べ、喪心、無情、なんとでも思え、そしられようと苦にはせぬ、誉められても耳には入れぬ。」
ほとんどの人が受験でしか『徒然草』などには接しないだろうが興味深いことがたくさん書いてあっておもしろい。