原作は松本清張。『顔』(双葉文庫、日本推理作家協会賞受賞作全集9)という本に収録されていて1995年5月26日に買った。わたしはまずこの原作を読んだ。購入した時点で読んでいたが今回読みなおした。つぎに県立図書館の『年鑑代表シナリオ集 ´58』に載っている橋本忍のシナリオを一字一句パソコンに書きうつした。
映画が製作されたのはわたしが10才のときなのでタイトルさえ知らなかった。監督を志して上京後どこかの名画座で見た。さきほど見直して感無量。
撮影はほとんど佐賀県でなされたようだが幼かったときに見た風景がそのままよみがえり59才から一気に50年ひきもどされた。
監督は野村芳太郎。この人の代表作だ。わたしはほかに『五瓣の椿』(原作:山本周五郎、1964年)、『張込み』と同じ九州ロケの『白昼堂々』(原作:結城昌治、1968年)などが好きな作品。氏を遠くからお見かけしたことは何度かあるが面識があるわけではない。この人は助監督時代あの黒澤明監督にとてもほめられたということを最近なにかで読んだ記憶がある。