同書を手にしたきっかけはきのうの朝新聞でビートたけしがテレビドラマ『点と線』に久しぶりに俳優として出演する記事を見たからだ。彼はどうやら「鳥飼重太郞という古参の中年の刑事」に扮するらしい。興味深いではないか。
髙一か中三か覚えていないがこの本を読んで松本清張はすごいと動転した記憶がある。『砂の器』の原作を読み橋本忍のシナリオを勉強しこのあいだは『張り込み』の研究もした。わたしは推理小説を書く気はない(書けない)がシナリオ以外にも何か小説は書いてみたい。昨晩『点と線』を読み終えるとなんだかわたしにも書けそうな勇気がわいてきた。
ヒントになったのは『点と線』の鳥飼重太郞とか『砂の器』『張り込み』の刑事たち、これらは皆松本清張が自分を投影させているだけのことではないかということ。「だけのこと」とか言うがそこが難しいのは分かっている。テレビでビートたけしの『点と線』を見る前にわたしなら「どうする」と自分なりのシナリオを書いてみる。わたしは怠け者なので書くのは面倒なので頭の中で書いてみる。そして番組はハードディスクに録っておくのだ。あとで舐めるように自分の考えたこととテレビを照合する。この作業は実に楽しそうだと思いませんか。