この手の深刻な話は苦手なのだが若尾文子主演なので見なおしてみる気になった。安田道代のデビュー作と思っていたが違っていた。いまは大楠道代と名前が変っているが、わたしはやはり安田道代のときの方が好きだ。『氷点』の彼女はやはりすばらしい。
はじめは宿題をかたづけるときのように無理に見ていたが最後まで一気に見終えたのは脚本がよかったからだ。あとで気づいたのだが書いた人はなんと水木洋子さんではないか。さすがだ。水木さんはご病気とかでわたしは1度もお目にかかったことはない。高校2年生のとき(東京オリンピックの年)豊田四郞監督『甘い汗』を見てびっくりした。年を経るごとに見なおしてみたいと思いながら、あの時見たきりでいまでもすごい映画だったと覚えている。このシナリオが水木洋子。
映画に話を戻せば安田道代扮する陽子が自分が殺人犯の娘だと養い親(若尾文子)から知らされ身も心も凍りついて(だから『氷点』)睡眠薬を大量に飲んで自殺する。胃を洗浄してどうやら助かりそうというところで終るのだが最後に救いがあってほっとした。わたしは甘ちゃんなのだなあとつくづく思う(だからこの種の小説でも映画でもなるべく敬遠するのだ)。
この歳になると「それでいいではないか」と居直るわたしなのであります。