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野上照代『天気待ち 監督・黒澤明とともに』(文春文庫)を読む

 単行本は2001年1月に出版されたらしい。新聞の広告かなにかで見ていたがわたしは書店で手にしたこともない。正直なことを言うとスクリプターの人がわたしは東映の東京撮影所で助監督をしていたころから苦手なのだ。野上さんのお名前はだいぶ以前から存じあげているがお目にかかったこともないのに恐い小母さんに違いないと確信していた。
 黒澤組の裏話など知ってもしょうがない、そう思ってきたが古本屋でこの文庫本をみつけて3日前に購入した。勉強になったことをいくつか拾う。
 137ページ。『乱』の美術は黒澤組の常連の村木与四郞氏。炎上する三の城は「福井の丸岡城をモデルにしたそうだ」。138ページ。城の石垣は「〝野石積み〟という三点が必ず隣石に接する積み方」らしい。
 わたしは見ていないが『八月の狂詩曲(ラプソディーとルビ。横山)』では蟻の長い行列を撮影するのがたいへんだった。山岡亮平氏のご協力があったから撮れたらしい。山岡氏のことは知らなかった。氏の著書「『共進化の謎に迫る』(平凡社)の中の〝アリはなぜ一列に歩いたか〟の一文に詳し」いと書いてあるので映画はむろん本も見てみたくなった。(145ページ)
 336ページ。『巨人の足音』は黒澤映画の予告篇ばかりを集めたものだそうだが、「これはすべて黒澤監督自身が作ったものなのだ。」「(ちなみに普通の映画の予告篇はチーフ助監督の仕事である)
 わたしは黒澤映画もてっきりチーフ助監督が作ったのだとばかり思っていた。
 あとこの本の悪口(野上さんにうらみはないが)がのど元まで出かかっているがさすがにこのブログに書くわけにはいかない。わたしはやっぱりスクリプターが苦手だ。
by hiroto_yokoyama | 2008-06-02 21:38 | 映画
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