わたしは映画監督です。自分の仕事が特殊なモノとは考えていないのですが、独自性はもっているつもりです。
ネット映画講座準備室をはじめてきょうで半月です。見て下さる方が知り合いばかりではないようなので、少し、油断してと言うか気を抜いてと言うか、窓を広げたくなっています。 突然ですが、匿名性についてまず思い浮かぶことを言います。 わたしはいわゆる全共闘世代。と言ってもわたしは1969年の安田講堂のとき、福岡県飯塚市の自宅の茶の間でミカンを食べながら加藤総長代行のコメントをテレビのニュースで見ていただけのだらしのないノンポリでした。(いまもそうですが)どこかで「これではいけない」と炬燵から出て、俺にできるのは革命とかではなく、映画を本気でやってみようかと青臭いことを思いつき、そして今日までよたよたと映画に関わって生きてきました。 それで匿名性ということですが本か雑誌で読んだのですが吉本隆明氏が、どこかの集会か何かで公演をなさった。つまらないヤジを飛ばす学生がいて、吉本氏は壇上から降りて、その学生の胸ぐらをつかみ、ヤジったりなどせず壇上で全面展開してみないかと言ったらしいのです。その学生は黙りこんだだけでした。わたしは自分は安全なところに身を置き(この場合は観客席)、安全なところでしかモノを言わない輩が大嫌いです。 吉本氏のことを読んで、あ、この人は誠実な人だと感じました。 べつのことを言います。ビルの建築現場にはかならずフェンスがしてあります。そのフェンスにときどき覗き窓があったりしますが、あれと動物園の檻、映画は建築現場のフェンスのなか、あるいは檻の中のライオンとか熊に似ているのではないでしょうか。 映画館やビデオやDVDで映画をたくさん見たら、映画が作れる、と錯覚している夢見がちだけの人が増えています。確実に増えています。しかし夢見がちなだけでは決して商品としての映画は撮れない。その分かりきったことが分かっていない映画カブレの増殖にわたしは心を痛めます。 そこでどうでしょう? わたしのこのブログが目にとまり、おもしろそうとお感じになった方がいらしたら、匿名ではなく実名でご連絡いただけませんか。怖がらなくていいです。様子見だけでけっこうです。 わたしが結果的に身につけた映画作りの独自性を、映画だけではなくひろくベンチャー起業に活かせそうだ、いや活かせると確信しています(思い上がりではありません)。わたしはなんとかわたしの持っているささやかな独自性をできるだけ多くの人に伝えたい。これは思い上がりで言うのですが、この独自性を理解する人が増えなければ、日本がダメになるとは言いません。しかし日本の映画が滅びてしまいそうな気がするのです。 ほんの少しでいいのでわたしの土俵にのってみていただけませんか。
by hiroto_yokoyama
| 2004-07-28 11:04
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