いやぁ驚いた。高島野十郎もすごいが著者の川崎氏もご立派。わたしはしょっちゅうおのが不明を恥じているがきょうも厳粛に自分の至らなさ不勉強さを反省している。
川崎氏はロープシン『蒼ざめた馬』やサヴィンコフ『テロリスト群像』などを訳された高名な方とは存じ上げなかった。2冊の本のタイトルは知っていたが無論わたしは手にしたこともない。五木寛之氏が『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞を受賞なさったおりこの題名をもじってわたしは「蒼ざめたぼくを見よ」などと言ってまわりの顰蹙をかっていたほどの軽さが恥ずかしく思い出される。 いま「蒼ざめた馬」を検索してみたら 「ヨハネ黙示録第6章第8節にあらわれる、死を象徴する馬」のことらしい。 「見よ、蒼ざめたる馬あり、これに乘る者の名を死といひ、陰府(よみ)、これに隨ふ」 すぐに有り難がる悪い癖というか軽薄なわたしはさっそく『テロリスト群像』とこの『蒼ざめた馬』を図書館に予約した。五木氏の『蒼ざめた馬を見よ』は今度図書館に行ったときまで覚えていたら探してみよう。 で、『過激な隠遁』に戻るとまず装丁がいい。1952年に片山攝三という人が撮った高島野十郎のポートレートが魅了する。つぎに高島本人の描いた「傷を負った自画像(部分)」にぎょっとさせられる。もう1ページめくると十文字美信の写真(高島のノートの表紙)があらわれ映画がはじまる前のような雰囲気。 前の記事にも書いたが読みはじめたらもうやめられない。わたしはさきほど読み終わってまだ興奮がさめやらない。 高島野十郎のまねがしてみたい。そう思うばかりでわたしのような俗物に彼の生き方をなぞられようはずがないことは分かっている。せめて彼の描いた絵の実物に接することぐらいならできるだろうから川崎氏が「あとがき」に書いてあるように「ぜひ近い将来、野十郎展覧会をどこかの美術館で」開催してくれることを願うばかりである。
by hiroto_yokoyama
| 2008-12-08 17:13
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