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松本清張『黒い福音』他

 短篇ばかりじゃなく長篇も読んでみたくなった。清張全集第13巻(解説を含めて488ページ)を早朝読了。率直に言って読み通すのがやっぱりしんどい。解説も「樋口謹一」とかいう人の書いたものは学者先生がお書きになるもののように「お説ごもっとも」とは思うがちっともおもしろくない。
(あとでWikipediaをみたらやっぱり京大の先生のようだと分かった)
 清張さんはこの『黒い福音』のあと『日本の黒い霧』を書くことになるが、別のことに頭が行った。大島渚監督『日本の夜と霧』は松本清張『日本の黒い霧』に似ているがどっちが先だろう。どちらかが真似ている。正解は大島さんが清張さんのタイトルをパクったのだ。正確には「黒い」が「夜と」に変わっているからパクった訳ではないと叱られそうだ。グアルティエロ・ヤコペッティという人に『世界残酷物語』という映画があった。いまでは主題曲「モア」だけが残ってスタンダードナンバーになっているがこの擬ドキュメンタリー映画は公開当時話題になった。大島さんは『青春残酷物語』という映画を撮っている。大島監督はタイトルのつけ方のうまい人であったのだなぁ、とみょうなことに感心した。
by hiroto_yokoyama | 2010-02-10 05:36 | ブログ
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