いまわたしの手もとにあるのは図書館から借りた本(木村榮一訳岩波書店)。奥付を見ると2002年になっている(第1刷)。もう8年になるのか。この本を初めて手にしたのは福岡で映画塾という愚行をやらかしていたころだ。
表紙をめくると扉に 面白い物語はどのようにして作るのか? いったい何がきっかけで物語は成長し、新たに生まれ変わるのか? ガルシア=マルケスとプロのシナリオライターの仲間たちがハバナに結集。視聴者に訴えかけるストーリーづくりの秘法を語り合う。稀代のストーリーテラー、ガルシア=マルケスによる、実践的〈物語の作り方〉道場! 身を入れて読もう読もうと読み始めても何度も途中で放り出す。今回で4度目になる。あきらめてもう図書館に返却しようと今朝みれんがましくページをめくってみた。同書269ページから引用。 ……もし作家になりたいのなら、一日二十四時間、一年三百六十五日、その心構えを持っていないといけない。霊感の訪れがある時は、わたしはつねに何か書いていると誰かが言っていたが、その辺のことを理解して言った言葉だ。遊び半分でやっているディレッタントは贅沢にも、何ひとつきわめることなく、蝶のようにひらひら舞いながらあれやこれや手を出すが、われわれはそうじゃない。われわれはディレッタントじゃなくて、ガレー船の徒刑囚のように休むことなく仕事をするんだ。 この数行を目にして、やっぱりきょうにでもこの本を返そうと思った。わたしが「福岡で映画塾という愚行」と言うのは今回で2度目だが塾に集まってくる人間は全員このディレッタントだったから「愚行」というのだ。日本映画学校もディレッタントはたくさんいた。しかしこちらの方は「3年間」というシバリがある。たとえ親に行けと言われても「石の上にも三年」遊び半分の気持ちを持続させるのは難しくたまには本気を出す奴もいた。 わたしはと言えば、また気が向けばこの『物語の作り方』をのぞきたくなれば図書館から借りる。わたしはなぜかこの種の書物が大好きで家にも同種の小説の書き方やシナリオ作法の本がたくさんある。ぱらぱらとめくるのが楽しい。しかし何冊読もうが読んだら書けるとは思っていない。逆に書くことの邪魔になる。つまりわたしは書くことが好きではないので道草をくう言い訳に 「物語の作り方」の本を手にするらしいのだ。わたしはディレッタントではありません。おあいにくさま。
by hiroto_yokoyama
| 2010-02-12 06:23
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